2017年4月8日土曜日

朝鮮半島リスクと株式市場(追記あり)

日本の株式市場が、朝鮮半島有事をリスクとして織り込もうとし始めたのは、じりじり上がっていた石川製作所がストップ高になった4月4日の火曜日だと思います。4月6日の夕方に、なんで今さらといいながら、北朝鮮リスクを警告する緊急レポートを出していたストラテジストの方がいましたが、流石に新聞はおろか、市場も見ていないと揶揄されても仕方がないと思います。

リスク織り込みのきっかけは4/3、FTのインタビューにおけるトランプさんの「もし中国が北朝鮮問題を解決しないなら、我々がする。言えるのはそれだけだ(Well, if China is not going to solve North Korea, we will. That is all I am telling you.)」という発言の記事だと思います。
https://www.ft.com/content/9ae777ea-17ac-11e7-a53d-df09f373be87


米軍を動かせる権限を持つアメリカ大統領の強い発言は、万が一もありうると考えさせられて当然だと思います。

一方で、個人的にはこの発言は米中首脳会談前の脅しだと思っています。外交交渉を有利に進めるためには、拳銃に弾を込めておくのは常套手段だと思います。シリアへのミサイル攻撃もこの脅しの一環だと思います。

アメリカが恐れているのは、北朝鮮が核ミサイルを米国本土に打ち込める能力を持ち、米国がそれらを十分に迎撃できない(潜水艦からのミサイルの発射等)ことだと思います。その時点で、中国にとって大きな外交カードができてしまうからです。

北朝鮮は陸の孤島ですから、原油も資材もほとんど中国(追記:旧瀋陽軍区、現北部戦区)からの闇物資に頼っているようです。中国が原油を止めれば、北朝鮮は崩壊します。その前に北京にミサイルを撃ち込むかもしれませんので簡単ではないかもしれませんが、中国共産党の人から見れば、北京が壊滅しようが、自分が助かればいいんじゃないでしょうか。

追記:北京と北部戦区自体が権力闘争で対立しているという話もあるようですね。北京としては北部戦区を含む北朝鮮を相手にするのは、結構きついかもしれないですね。中国自体の分裂を覚悟しないと十分圧力をかけられないとなると、北京自体も 北朝鮮と北部戦区に手を焼いているということでしょうか。アメリカはここを突破口にできるといいですが、いずれにしろ圧力は北部戦区にもかける必要がありそうです。

一方で、アメリカが北朝鮮を攻撃する場合に数十万規模の死者を想定しないといけないという研究もあるようで、簡単ではありません。北の大陸間弾道核ミサイルが完成すれば、壊滅的な被害を受ける可能性もあるとは思います。両刃の剣かもしれませんが、中国にとってかなり有利な外交カード(追記:北部戦区と対立になることを考えれば北京としてはカードとしては微妙かも)になりうると自分は考えています。

アメリカとしては中国(追記:北部戦区)が北朝鮮という外交カード(追記:北京にとっては自爆カードになる恐れも)を手にする前に、なんとか北朝鮮の非核化を目指したいと考えているはずです。そのための、脅しだとは思いますが、ブラフだと見抜かれては意味がありませんので、市場が驚くような発言や行動をトランプさんがこれからもするかもしれませんし、中国(追記:北京と北部戦区)の協力が得られないのであれば、実際に軍事行動を起こす可能性もわずかにあるとは思います。

オバマさんの時の北朝鮮有事の可能性は、北朝鮮が暴発する以外には0だったと思います。化学兵器の使用はレッドラインだと言っていたのに、非核保有国のシリアにオバマさんはしり込みしていたからです。

市場からは資金が抜けているような感じはありますが、年初から上げていた銘柄の下落が多く、まだパニックというほどではありません。若干、北朝鮮有事の可能性を実際より高めに織り込んでいるような印象もあります。

一応、防災袋は用意してありますが、実際のリスクはどのくらいかはわからないです。一番怖い可能性は、米軍が斬首作戦 の成功を確信して奇襲攻撃をして、北朝鮮の軍事命令系統を破壊しきれず、在日米軍が飽和ミサイル攻撃にあうことでしょうか。混乱に乗じた化学・サイバー・生物・核兵器によるテロも考えなければならないと思います。

最悪の可能性を考えつつも、今のところアメリカの狙いは中国(追記:北京と北部戦区)が半島の非核化に協力することだと思います。このカードを引き出すことができるならば、トランプさんは歴史に名を残す大統領になりえますが、その場合も北の暴発リスクを抱える可能性もあるので、予断は許されないと思います。

長期保有は下がれば買い増しを検討しますが、万一に備えて余力は残しています。






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