2017年4月19日水曜日

良いトレーダー、悪いトレーダー

投資家とは違いますが、トレーダーという職業があります。トレーダーは取引(交換)をする人ですから、どちらかというと投機家に近いと思います。

投資家は基本的にはプラスサムの勝負です。一方でトレーダーは必ずしも、プラスサムの勝負ではなく、場合によってはゼロサムあるいはネガティブサムの勝負です。

ゼロサム、あるいはネガティブサムの世界であってもトレーダーは、社会に何も生み出していないわけではありません。トレーダーが生み出しているもの、それは流動性です。さらに、良いトレーダーは、流動性を生み出すと同時に価格の変動を抑える役割があります。安くで買って高くで売る、あるいは、高くで売って安くで買い戻すので、一定期間の価格の変動を抑えることになります。

ですから、流動性を供給しながら、一定期間の価格の変動を抑える社会的役割を果たしているという意味で、お金をしっかり稼げているトレーダーは良いトレーダーなのだと思います。
株式市場でも、流動性が高く、価格変動が少ないほど、企業の時価総額自体は上昇することになると思いますし、企業も結果として資本調達しやすくなると思います。

一方、悪いトレーダーは高くで買い、安くで売るという価格の変動を増大させてしまうトレーダー、つまり損をしているトレーダーです。

稼いでいるから良いトレーダーではなく、稼いでいるから社会に貢献している良いトレーダーということです。

ただし、流動性低い株を極端に買い占め、 高値で踏み上げを狙ったりして、ファンダメンタルから意図的に乖離させようというトレーダーは、例え稼げたとしても悪いトレーダーです。それは以前のブログにも書きましたが、社会の総余剰を低下させるからです。

相場操縦の意図がなく、純粋に馬鹿げた高値で買って、さらに馬鹿げた高値で売るのは問題ないとは思います。金額大きくなると、線引きは難しくなるかもしれませんが。

あと、戦争関連でもうけるとか、くそ株で儲けるとか。相場操縦とか、風説に関わってないなら、全く問題ない良いトレーダーだと思います。倫理とは別に、トレーダーには上で述べたような社会的役割があると思いますので。



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