2020年3月14日土曜日

コロナ・OPECプラスショックと信用収縮 (3/14・15に一部追記・訂正)

連鎖するコロナの世界的感染拡大と、OPECプラスの仲たがいによるオイル安ショック、航空会社やシェール会社の信用不安とかいろいろあって株式市場は大荒れですね。

下落の激しさで言えば、リーマン級に近いですが、仮に金曜が一端の底になるのであれば、リーマンよりはましになりますかね。

リーマンの時も、今回も起こっているのは信用の収縮ですね。普段はお互いに信用してお金を融通し合って、貨幣の流通量を増やしていますが、何らかの理由でお互いの資金融通に不安が起こると、信用が収縮します。

コロナ不安で、人々が生活必需品を買い占め、外出による支出を抑え、OPECは国内のコロナ混乱もあり、仲たがいし原油価格下落を覚悟しながら増産、ロシアもアメリカにここぞとばかりに嫌がらせして原油は急落。潤沢な資金を供給している産油国はダメージをうけ、航空会社やホテル、レジャーや石油関係の会社の信用が不安になり金融機関にも飛び火するかもしれないと不安になる。株価は急落し、信用取引の手じまいや機関の換金で下げが下げを呼ぶ。

普段はお互いに信用して、溢れていた貨幣が逆流して、皆が貨幣や安全資産に殺到する。それが信用収縮ですかね。

(3/14に一部追記・訂正)3/8のUNCTADの試算よると、世界的に兆ドル単位で経済損失がありそうで、最悪のケース(doomsday scenario)で年間2兆ドル程度の損失予想のようです。免疫ができたりワクチンの開発に2年かかるとして、直接の経済被害額400兆円くらいになるんですかね。一方で、世界的に失われた上場企業の価値はこの一か月で2-3000兆円くらいですかね。もちろん、原油価格下落による信用不安というのもあるでしょうが、一方で、原油価格の下落は実需にとってプラスのメリットもあります。

https://economictimes.indiatimes.com/news/international/business/coronavirus-outbreak-could-cost-global-economy-up-to-usd-2-trillion-unctad/articleshow/74560638.cms

(3/15に追記)3/2にブルッキングス研究所がケーススターディで最悪のシナリオで1年で9.2兆ドルの世界損失を予想しています。研究所が想定した中で、最善シナリオの場合で1年で2.3兆ドルのようです。最悪のシナリオの場合は次の年の感染者は、既に免疫を獲得している人も多いでしょうから、2年目は9.2兆ドルよりは、マシになるのでしょうか。最悪のケースでは中国での死亡者1200万人となっていますが、3/15現在で死亡者3204人で、中国の発表によると収束傾向ですから、ブルッキングス研究所の想定は、最悪の最悪のケースになっているのかもしれません。なかなか判断は難しいです。

https://www.brookings.edu/wp-content/uploads/2020/03/20200302_COVID19.pdf

過剰とも思える株式市場の下げは、経済の混乱を見越した信用の収縮かもしれないですね。株式市場の下げ自体が、実需を減らすという悪循環の面もあります。

一方で、経済的には過度に不安視すべきでないと考えられる部分もありそうですかね。

重要なのは、経済被害が数百兆円規模になりそうならば、そこで信用収縮の連鎖を止めることですね。自粛影響等である程度、特定の業界がダメージを受けるのは致し方ない部分もあると思いますが、政府が補償や保証を潤沢にして、いかに実損だけで経済へのダメージを抑えられるかが、コロナ・OPECプラスショックがリーマンショックを超えるかどうかの境目になりそうです。

あとは、経済被害自体を抑えながら、いかにコロナの感染急拡大を抑える比較的効率の良い方法を少しづつ見つけられるか、コロナには季節性がありそうだが、それがどうなるか、産油国の混乱がどれくらいになるか、が気になるところですかね。

自粛影響を直接受けるところと、そうでもないところが、これからある程度目に見えてくるでしょうし、各国政府は緊急に対策を打っているので、なんとかこの信用の収縮の連鎖を抑えつつ、コロナの被害を最小限に食い止めてほしいと思っています。

日本はそれ以前に、消費増税で結構な経済ダメージをすでに受けているので、ホント早急に経済対策打ってほしいところです。






2020年3月5日木曜日

新型コロナと経済雑感

市場は一旦落ち着きを見せ始めましたが、これからどうなるでしょうかね。
まだ、わからないことが多いですが、適当に今の雑感です。

自粛要請自体は、まだしばらく続きそうな気はしますかね。資金繰りの厳しいところの支援を各国政府が行うことは重要そうですね。

中国ほど、厳しい措置が取れれば、収束は可能かもしれないですが、自粛要請だけでは難しいでしょうか。季節性があれば、時と共に収束するかもしれないですが、それもわからないですね。

暖かくて、エアコンの普及率の低い国や地域であまり感染拡大が起こっていないようにも見えるのですが、検査環境や年齢構成も違うでしょうし、一概には比べられないですかね。換気することが重要というのは間違いなさそうです。

最悪、来年のワクチン待つことにもなりかねないですし、なんとかその前によい治療法が見つかって、亡くなる方が減るとよいのですが。

ポジション的には自粛の影響が出にくい銘柄と、自粛の影響は出るが、一年分くらいは既に織り込んでるかなという銘柄ですかね。

注意が必要なのは固定費が高く、影響を直接受ける業界と、政府保証や支援があったとしても、金融関係は気になる感じですかね。早期収束すれば問題ないですが、長引くと辛いかもしれないですね。すでに株価に織り込んでいる部分もあるとは思いますので、何とも言えません。

サプライチェーンの混乱や、各国の断絶という部分もあるでしょうが、若い働き手に取ってリスクは比較的低そうではあるので、その点は不幸中の幸いでしょうか。最悪、高齢者に自粛してもらって、社会活動をある程度維持するのは可能かもしれません。

あとは、重症者が急増しないように、どこまで活動を制限するかですね。ここら辺は政治的に国民が判断することでしょうが、感染力と致死率を見ると、ある程度強めの自粛要請が必要そうではありますかね。ノーガードは流石に医療崩壊の恐れがありそうなので難しそうですかね。

アメリカは割とノーガードで、感染確認されたら対処療法みたいな感じでやるんですかね。自己責任といえば自己責任なのかもしれませんが。

どのように社会が変化するか、あるいは変化しないのか、いろいろ考えてはいます。

早く収束することを願っています。