2018年10月31日水曜日

金融政策の「正常化」と財政の「健全化」

時折、新聞なんかで、金融政策の「正常化」とか財政の「健全化」といった言葉を見ることがありますが、これって一体何を指しているのでしょうか。

個人的には、マクロの経済政策が実現すべき「正常」あるいは理想な状態とは、完全雇用とそれに伴うマイルドなインフレだと考えています。これを実現かつ持続させることが、正常な金融政策であり、健全な財政だと考えています。

金利が〇%あれば「正常」とか、財政均衡したら「正常」とか、量的緩和は「異常」とか、そういった、理論・理屈・理由で、的を得ているものは自分には正直思い当たりません。

貨幣の供給を調整できるのは中央銀行(広義の政府)だけですから、完全雇用かつマイルドなインフレを目指す金融政策を行うことが「正常」なのだと思います。

財政も同じです。自国通貨建ての国債の発行でデフォルトすることはありません。財政赤字は国民の黒字ですから、特に問題にはなりません。あくまで、分配の問題です。それはそれで重要ですが、マクロの経済政策としては分配の問題は関係ありません。関係あるのは、財政が緩和的が緊縮的かです。こちらも完全雇用かつマイルドなインフレを目指すことが「健全」な財政だと思います。

金融政策も財政も緩和し過ぎれば、インフレになりますし、引き締め過ぎればデフレになります。それだけだと思います。

とはいえ、個別の業種や金融商品が変な値段(バブルや、異常値、リスクの取りすぎ)を付けてないかは個別に見ないといけないかもしれないですね。ここら辺は、投資家や投機家の領分な気もしますし、かなり難しいとは思いますが、チェックし続けることは必要だと思います。