2017年3月16日木曜日

煽り屋と適正株価と総余剰

twitterを本格的に始めてみて、気付いたのですが、煽り屋ってすごいですね。こんな人がいるんだと驚いてしまいました。

個人的には言論の自由と、取引の自由が原則だと思いますので、違法な風説の流布や相場操縦してなければ特に気にしてません。時たま自分の知らない情報を流すので有益な時もあると思います。ほとんどは売りぬけのための煽りなのかもしれませんが。

気の毒なのは何も考えずに煽りに乗っかる人ですね。まあ、自己責任でしょうし、それも自由です。
あまり気にせず、自分が正しいと思う投資やトレードをしたらいいんじゃないでしょうか。


ただひとつ気にかかるとしたら、企業の業績に応じた適正な株価がもし存在するとしたら、そこから大きく値段を乖離させるような煽り屋、買占め、売り崩し(今でもこんなのあるんでしょうか・・)は、社会には害です。

市場経済を支持する重要な考え方の一つに、総余剰という考えがあります。野菜にしろ車にしろ株価にしろ、売り手と買い手が均衡する値段が、社会全体の幸福を最大化するという考え方で、経済学の最も重要な知見の一つだと思います。(知らない方は是非調べてみてください)適切な情報開示と、合理的で賢明な市場参加者による市場価格がそれを実現します。

たまに、株価はとにかく上がったほうがよいという政治家がいますが、それは間違いです。適正な株価であることが社会全体の幸福(総余剰)を最大化します。業績がとにかく上がったほうがいいというのは正しいです。

市場は時折、(ソロスに言わせれば常に) 間違います。一部の無知な買い手や売り手によって、一方的に株価が釣りあげられたり、暴落させられると、社会全体の幸福は低減します。いわゆる市場の失敗という状態になります。このとき総余剰が低減すると同時に、本来なら資本調達をしてはいけないような質の悪い経営者に資本調達の機会を与えたり、逆に資本調達が必要な優秀な経営者に資本が行かなかったりしてしまいます。

何が適正な株価かというのは非常に難しいですが、無知な投資家や投機家によって、株価が異常な水準になることは望ましいことではありません。それを増幅するように煽る人がいたら、それは害悪といってよいかもしれません。


よくない煽り屋がいたら、 総余剰を低減させる社会の害悪めと非難してみてください。
そして、自信があるなら、非難する前に彼らの逆のポジションを取りましょう。




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