2017年8月5日土曜日

金余りの時代とJGBトレーダーの黄昏

タイトルに意味はありません。

金融緩和に対して、なんとなく金持ち優遇のように感じている人がいるかもしれませんが、実際は、金持ちにとっては辛いことです。

例えば 100億円持っているお金持ちがいるとします。金融緩和前で、国債の金利が年2%付けば、毎年2億円、ほぼノーリスクで不労所得が手に入ります。

一方で、金融緩和で国債金利が、0.1%になってしまった場合、金利下落(国債価格の上昇)で、一時的に2億円近いキャピタルゲインを得られますが、それ以降は、毎年1000万円しかもらえなくなります。

金融緩和によってお金の希少価値が、減ってしまったせいで、お金を持っているだけでは、お金を稼げなくなってしまうのです。

お金持ちは、リスクをとって運用するか、生活レベルを落とすか、何らかの仕事を探したり、事業を起こす必要があります。

一方で、お金を持っていない人にとっては、失業率の低下や賃金の上昇といったメリットを受けることができます。

実際、金融緩和に反対するのは、お金を大量に持っている銀行ですね。10年以上前は、日本国債(JGB)のトレーダーは、投資銀行の稼ぎ頭だったそうです。銀行も国債金利で稼いでいました。

日本は円建ての国債を大量に発行している一方、対外債権国ですから、原理的に国債が返せなくなることはありません。全くのノーリスクで、JGBトレーダーや銀行は毎年、多額の金利を儲けることができました。しかし、そのような時代は終わりました。もはや、日本国債は金利を生みません。流動性も日銀が吸収してしまいました。

 それでも、インフレ率は低いままです。まだまだ、金融緩和の余地はあります。


最近、株価も高値圏にあります。暴落も怖いですが、本当に怖いのは、資本がもはや希少なものではなくなり、株価が高止まり、株の期待収益率が低くなってしまうことです。大型株の流動性も日銀が吸い上げています。

トレード技術や、銘柄選定の技術のある人は生き残れるでしょうが、お金が多少あるからといって、人生が上がりになるのは遠のくでしょうね。

ロバートキヨサキさんみたいに、未だに高額の入場料取って講演会を開くなどして、働いてお金を稼ぐ必要がありそうですね。

金持ち父さんも、働かないとお金を稼げないのが、金余りの時代です。


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